Archaic Style　桜花爛漫

桜花爛漫

ご厚意で撮影してくださるAさんのもとを訪れたのは偶然桜の季節でした。

都合が合ったのがたまたま桜の季節だっただけで、目的は桜じゃなくて春の海でした。
でも数日来の好天で気温も一気に上がり、当日はまさに春爛漫。
一気に満開になった桜樹を電車の窓外に未練がましく追いながら目的地に向かいました。

海に遊んで、そろそろ帰ろかモードになった頃、無理いっちゃだめだよなーと思いつつも、「桜の下で撮れる場所知りませんか？」と思いきって聞いてみました。
前にも書きましたが、花の盛りに撮るのって難しいことがわかっているのですがダメもとで。
案の定「難しいな」と困らせてしまい反省。

ところが、帰路の無人駅で30分後に到着する電車を待ちながら、周囲をふらふら歩いていると、こぼれるばかりに咲き誇る見事な一本桜を発見！
あふれる陽光がかえって静謐を印象付ける里のたたずまいの中、独り舞台を舞うようにはらはらと花弁を散らす老桜の姿は周囲を圧する光を放っているように見えます。
息をのむ美しさでした。
でも人が現れてもおかしくない場所で、撮影を頼んで迷惑をかける結果になってもいけないので黙っていようと踵を返しました。
ところが数分後、Aさんが「おい。桜があるぞ。」と。
「でもここは・・」とお断りしましたが「いいから行け」。
ということで記念すべき桜花の下の初撮影となりました。
ちょっと緊張していてぎこちないですが、願いをかなえていただいた心に残る一枚です。