雪月花-雪2
時折、雪の重みに耐えかねてかばしっばしっと落枝の音が聞こえるばかり。
雪解けとともに無数の生命が声を上げ始めたらたちまち失われてしまう、雪に閉ざされた厳寒期の深山の静寂の中に遊んでいます。
無数の命は絶えているわけではなく、静かに眠っているだけなので気配は感じることができます。
ただ、カメラの黒色にまで反応してかちかちと警戒音を発しながら近づくスズメバチや、足元に禍々しい小判紋をうごめかせて這うまむしを警戒する必要もない気楽さと裏腹に、ミツバツツジの群生とか鮮烈な紅葉といった豊かな色彩にも出会えない味気なさもあります。
一方で、降り積もった雪の上に、点々と小動物の足跡しかついていない場所に足を踏み入れる楽しさというのもまたあります。
下世話な言い方をすれば「初物をいただく」というような一種の征服感のようなもんでしょうか。
同時に、静謐と清冽な寒気で磨かれ仕上げられた完成形の美を蹂躙することへの申し訳ないような気持も生まれます。
手つかずの雪の純潔をけがしてしまう以上はせめても土足ではなく素足で耐えられるまで、と決めて撮影しました。

雪解けとともに無数の生命が声を上げ始めたらたちまち失われてしまう、雪に閉ざされた厳寒期の深山の静寂の中に遊んでいます。
無数の命は絶えているわけではなく、静かに眠っているだけなので気配は感じることができます。
ただ、カメラの黒色にまで反応してかちかちと警戒音を発しながら近づくスズメバチや、足元に禍々しい小判紋をうごめかせて這うまむしを警戒する必要もない気楽さと裏腹に、ミツバツツジの群生とか鮮烈な紅葉といった豊かな色彩にも出会えない味気なさもあります。
一方で、降り積もった雪の上に、点々と小動物の足跡しかついていない場所に足を踏み入れる楽しさというのもまたあります。
下世話な言い方をすれば「初物をいただく」というような一種の征服感のようなもんでしょうか。
同時に、静謐と清冽な寒気で磨かれ仕上げられた完成形の美を蹂躙することへの申し訳ないような気持も生まれます。
手つかずの雪の純潔をけがしてしまう以上はせめても土足ではなく素足で耐えられるまで、と決めて撮影しました。
