双竜の滝3
K「書けねぇ・・。書いてよ」← N「書かないよ。紀行文にでもしてみなよ」
というやりとりがありまして・・・nishiくんに書かせるたくらみは頓挫しました。
でもいざとなると思った以上に書けない。
Archaicstyleを訪ねてくださる人たちの中に相当数含まれていると思われる旧Liberty Poolファンのためにnishiくんのことを書こうと思っていましたが、これだけ一緒に濃い経験を重ねてると意識が身内みたいになっていて・・・書けません。
最初から気が合いましたが、息を呑む絶景に感動したり、疲労困憊して苛立って喧嘩したり、すぐ忘れて次の計画立てたり、酒飲んだり、たまに普通の観光旅行したりしてるうちに、心のいろんな部分に結び目ができて兄弟のような感覚になってしまっていて。それで気楽に、自由に書けないのです。
ところで疲労困憊と書きましたが。
写真は一瞬を切り取るのでそこまでのプロセスが見えないし、それが良いとこでもありますが、実際の撮影行は暑熱の下で難路をたどる過酷な、ワンゲルの合宿みたいな感じのときもあります。(参加したことないけど)
この滝の場合もそうでした。
崖横の、道が崩れて一足分ほどの幅に狭まっている場所を木の根につかまりながら渡り、道を塞ぐ倒木をオーバーハング気味になりながら潜り抜けたり、鹿の骨も転がる野趣あふれる傾斜のきつい斜面を延々20分ほど降りて行くと最初の滝に出ます。
幅5メートル、落差20メートルはある水量豊富な堂々たる滝です。
ここはいわゆる裏見の滝で、滝の真裏に回りんだりしてしばらく遊び、そこから次の滝を目指して更に山奥へと踏み込んでいきました。
が。事前に入手しておいた地図にある滝への分岐が見当たりません。「ここかな」と思われる方角を見ても身の丈を越える茫々たる藪が広がっており、その先に望見できるのは気遅れするような静謐をたたえた針葉樹林の濃い緑だけです。
川の流れからすると、その方向に進まなければならないことは間違いなさそうですが、川に降りて遡行しようにも険しすぎて降りることができません。意を決して、藪の海原に突入しました。
葉に脛を切られたり、巻きつくつたを振りほどいたり、傾斜地で手づるにとつかんだ名も知らぬ植物の鋭い刺を掌に食いこませたり。自然は決して人間を楽しませるためにあるわけではないことを実感しながら、目だけは傷つけないようにうつむき加減で必死に進むうち、ようやく川に降りられる場所を見つけました。
川に降りてからは、次第に大きく聞こえてくる落水の音に確信を深めつつ、一つずつ慎重に、手を貸し合って岩を乗り越えて進むだけです。
水音が大きい場所では、危険動物との鉢合わせを避けるために時折 警笛を吹いて人間の存在を知らせるのも大切です。
そして突然視界が開けて奮闘が報われる瞬間が来たのでした。

というやりとりがありまして・・・nishiくんに書かせるたくらみは頓挫しました。
でもいざとなると思った以上に書けない。
Archaicstyleを訪ねてくださる人たちの中に相当数含まれていると思われる旧Liberty Poolファンのためにnishiくんのことを書こうと思っていましたが、これだけ一緒に濃い経験を重ねてると意識が身内みたいになっていて・・・書けません。
最初から気が合いましたが、息を呑む絶景に感動したり、疲労困憊して苛立って喧嘩したり、すぐ忘れて次の計画立てたり、酒飲んだり、たまに普通の観光旅行したりしてるうちに、心のいろんな部分に結び目ができて兄弟のような感覚になってしまっていて。それで気楽に、自由に書けないのです。
ところで疲労困憊と書きましたが。
写真は一瞬を切り取るのでそこまでのプロセスが見えないし、それが良いとこでもありますが、実際の撮影行は暑熱の下で難路をたどる過酷な、ワンゲルの合宿みたいな感じのときもあります。(参加したことないけど)
この滝の場合もそうでした。
崖横の、道が崩れて一足分ほどの幅に狭まっている場所を木の根につかまりながら渡り、道を塞ぐ倒木をオーバーハング気味になりながら潜り抜けたり、鹿の骨も転がる野趣あふれる傾斜のきつい斜面を延々20分ほど降りて行くと最初の滝に出ます。
幅5メートル、落差20メートルはある水量豊富な堂々たる滝です。
ここはいわゆる裏見の滝で、滝の真裏に回りんだりしてしばらく遊び、そこから次の滝を目指して更に山奥へと踏み込んでいきました。
が。事前に入手しておいた地図にある滝への分岐が見当たりません。「ここかな」と思われる方角を見ても身の丈を越える茫々たる藪が広がっており、その先に望見できるのは気遅れするような静謐をたたえた針葉樹林の濃い緑だけです。
川の流れからすると、その方向に進まなければならないことは間違いなさそうですが、川に降りて遡行しようにも険しすぎて降りることができません。意を決して、藪の海原に突入しました。
葉に脛を切られたり、巻きつくつたを振りほどいたり、傾斜地で手づるにとつかんだ名も知らぬ植物の鋭い刺を掌に食いこませたり。自然は決して人間を楽しませるためにあるわけではないことを実感しながら、目だけは傷つけないようにうつむき加減で必死に進むうち、ようやく川に降りられる場所を見つけました。
川に降りてからは、次第に大きく聞こえてくる落水の音に確信を深めつつ、一つずつ慎重に、手を貸し合って岩を乗り越えて進むだけです。
水音が大きい場所では、危険動物との鉢合わせを避けるために時折 警笛を吹いて人間の存在を知らせるのも大切です。
そして突然視界が開けて奮闘が報われる瞬間が来たのでした。
