山姫をたずねる
初夏、一両編成のローカル線に乗って山国の無人駅に降り立ちました。
見渡す限りの田んぼと遠景は山々のみ。
遮るもののない農道を首筋をじりっと焼かれながら黙々と(一人ですしね)一時間も歩くと、目指す山の登山口へ到着しました。
そこからはきつい傾斜の山道を、折良く見つけた手頃な落枝を拾って杖代わりにして滝へ向かいます。
鬱蒼と茂る樹林の中をひたすら30分も登っていくと、滝への分岐を示す看板があります。
そこからはようやく緩やかな下りになります。
下り始めてすぐに視界が開けて秀麗な滝の姿が目に入ってきました。その瞬間、ここまでの道程の疲れは吹っ飛びました。
目測では落差30メートルくらいはありそうで、滝下に立って落ち口方向を見上げると長大な白絹のような水流が陽にきらめいて、陶然と時間の経つのも忘れてしばし立ちつくしました。
美しくて離れがたいのだけど、一方で畏怖を感じさせます。山姫に魅入られたような心地がします。
それでも苔でぬるつくのをこらえて素足で岩を踏みしめて登って見ると意外に優しい山姫で、汗で汚れた体を清冽な飛沫で洗ってくれました。そして怪我もさせずに写真撮影にも応じてくれたのでした。
素晴らしい容姿なのに捨て置かれたようにたずねる者も少ない滝です。
いつか再訪したい場所です。

遮るもののない農道を首筋をじりっと焼かれながら黙々と(一人ですしね)一時間も歩くと、目指す山の登山口へ到着しました。
そこからはきつい傾斜の山道を、折良く見つけた手頃な落枝を拾って杖代わりにして滝へ向かいます。
鬱蒼と茂る樹林の中をひたすら30分も登っていくと、滝への分岐を示す看板があります。
そこからはようやく緩やかな下りになります。
下り始めてすぐに視界が開けて秀麗な滝の姿が目に入ってきました。その瞬間、ここまでの道程の疲れは吹っ飛びました。
目測では落差30メートルくらいはありそうで、滝下に立って落ち口方向を見上げると長大な白絹のような水流が陽にきらめいて、陶然と時間の経つのも忘れてしばし立ちつくしました。
美しくて離れがたいのだけど、一方で畏怖を感じさせます。山姫に魅入られたような心地がします。
それでも苔でぬるつくのをこらえて素足で岩を踏みしめて登って見ると意外に優しい山姫で、汗で汚れた体を清冽な飛沫で洗ってくれました。そして怪我もさせずに写真撮影にも応じてくれたのでした。
素晴らしい容姿なのに捨て置かれたようにたずねる者も少ない滝です。
いつか再訪したい場所です。
