杉美林1
ケニアの環境保護活動家のワンガリ・マータイさんが亡くなりました。
木材の乱伐で荒れたアフリカの大地に緑をとり戻すための植林活動を広めた女性です。
日本語の「もったいない」という言葉と精神を世界に紹介した人でもあります。
小学館から自伝が出版されてます。
アフリカの自然と大家族の中で育った少女期の話とか、枝葉の部分も興味深くて環境問題の知識なんかなくても面白く読めます。
黒船がやってきた幕末期では日本の山も多くが禿げ山だったそうです。
エネルギー源として取り尽くしたわけで、江戸時代通じて人口が増えなかった大きい理由がエネルギーの不足だそうです。
開国で化石燃料技術が入ってきて木材需要が減ったんで、植林で再生する時間を稼げたんですね。
日本人は昔から上手に自然と共生してきた、なんてよく聞きますがどうでしょうね。
明治に入って禿山から再生した山と、そうでない山とでは歩いていて何か感じが違います。
先入観もあるでしょうけど。
一度壊れた生態系の再生は土壌微生物なんかも含めると百年単位だといいます。
森の生命力ってそういう底辺の支えがあってのものなので木が生えていればオッケーというわけではなさそうです。
で、植林で緑は蘇ったけど木材がお金にならないし、世話する人も高齢化が進んでいるから手入れもされずに荒れ放題、ってのもよく見る光景です。もったいないですね。
急斜面の北山杉の林で枝打ちをしているのを見たことがあります。
手間をかけた林はやっぱり美しいです。
