月光窟1
山川を彷徨している間は不思議なほど渇きや飢えを覚えません。
ぼくの撮影行はとにかく歩きます。
素足になって渓流をわたり、岩から岩へ飛び、障碍のない場所では木の根や石に蹴躓いたりしないようには気をつけますけどかなりの歩速で進みます。
でも、そういうことをしているときは所謂「三昧」の境地にでもいるのか、疲れも、空腹も、喉の渇きも感じないのです。だからちょっと休憩して水でも、ってのがほとんどありません。
「登ってきたからには帰りは楽なんだからそれで充分」なんて感覚です。
口角に白いものが浮かんでたりはするので間違いなく体は渇いているんですけどね。
でも気持ちが勝ってしまっているんですね。
必ずしも良いことじゃありませんよ。それは分かってますが。
でも名水で有名なこの清水は味わってみたくて。
冬の清水は疲れた体には沁みとおりました。

ぼくの撮影行はとにかく歩きます。
素足になって渓流をわたり、岩から岩へ飛び、障碍のない場所では木の根や石に蹴躓いたりしないようには気をつけますけどかなりの歩速で進みます。
でも、そういうことをしているときは所謂「三昧」の境地にでもいるのか、疲れも、空腹も、喉の渇きも感じないのです。だからちょっと休憩して水でも、ってのがほとんどありません。
「登ってきたからには帰りは楽なんだからそれで充分」なんて感覚です。
口角に白いものが浮かんでたりはするので間違いなく体は渇いているんですけどね。
でも気持ちが勝ってしまっているんですね。
必ずしも良いことじゃありませんよ。それは分かってますが。
でも名水で有名なこの清水は味わってみたくて。
冬の清水は疲れた体には沁みとおりました。
